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Research Topics / 研究トピック

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個性あふれるエンボディド・コミュニケーションで キャラクターに生命を吹き込む

ソーシャルロボットHaru

アニメ映画に登場するキャラクターからインスピレーションを受けて生まれた、Haru。共感能力を持つロボットとして、人間と一緒に暮らし、働けるパートナーとなることを目指しています。

ソーシャルロボットHaru

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Haruの目的

Haruは、人を幸せにするためにデザインされた、新しいタイプのロボットです。私たちは、出会った人が笑顔になり、夢中になるようなロボットをつくること、そして、ロボットの持つ豊かな表現力を通じて、人との間に意味のある関係を生み出すことを目指しています。

Haruのインスピレーション

Haruは、アニメ映画に出てくるはつらつとした元気いっぱいのキャラクターからインスピレーションを得てデザインされました。表情豊かなキャラクターたちは、子どもからお年寄りまで、世界中の人びとの心の琴線に触れる力を持っています。私たちは、Haruを、スクリーンの中から現実の世界に飛び出してきた映画のキャラクターのような存在にしたいと思っています。

Haruは陽気で、やる気満々。自分の周りの世界への好奇心にあふれ、人間らしさとは何なのか知りたいと思っています。Haru自身にも過去があり、希望や恐れといった気持ちを持っています。Haruのおどけた動きは人を楽しませ、かわいらしい元気さは周囲の人との共感と心の通い合いを育みます。表情豊かで明るい性格のHaruとは、だれでもすぐに打ち解けることができます。

Haruのデザイン

Haruをデザインするにあたって基本としたのは、共感[1]です。共感に着目することから始め、学者、エンジニア、アーティスト、アニメーターといった、異なる分野のメンバーからなるチームで夢の実現に向けて取り組みました。想像力を膨らませるために、さまざまな感情を実際に人に演じてもらい、その様子をスケッチしました。このスケッチを基に、Haruの姿を形にしていきました。

アーティストやアニメーターの技術によって、人間的な感情を、自分にしかできないやり方で解釈し直す力をHaruに与え、さらに、ロボティクスエンジニアリングの専門家が、これらのアイデアを具体化して、Haruのデザインを現実世界に根差したものにしました。このようなチームワークによって、ユニークで分かりやすい表現を通じて実際に人と交流できるロボットの実用試作機が完成したのです。

 

Haruのコミュニケーション

Haruのコミュニケーション能力は、私たちのコミュニケーションを反映しています。研究者チームは、人がどのように意思疎通を図るかを観察し、それを基に、Haruが独自の方法で人間的な感情を表現するための動きを生み出しました。Haruは、ユーザーのまなざしを受け止めるだけでなく、視線をそらすことで、恥ずかしさや不同意を表現します。興味があるときは前のめりになり、怖いときは後ずさりすることもできます。目と口に加えて5つの動きの自由度を組み合わせることで、見る人がHaruの気持ちの状態を容易に推測できる表現を提示し、共感関係の形成を促します。さらに、Haruの非言語コミュニケーション能力は、動きだけにとどまりません。彼の個性にぴったり合った多彩なカスタムサウンドも搭載し、動きによる表現力を強化しています。

Haruの可能性

Haruの研究開発はまだ続いていますが、すでに、パートナーシップ(いつもそばにいる友だちのような関係)を通じたロボットと人の共生や、新たなコミュニケーション形態などの分野において、さらには人とソーシャルロボットの協力事例としても有望な結果を出しています。Haruは、その共感能力によって、人によりそって暮らし、働く、理想的なパートナー[2,3]となるでしょう。人は以前から、人間以外の存在、例えばペットなどと深く永続的な絆を結んでいますが、Haruにもそんな関係が築ける新しいタイプのパートナーになってほしいと思っています。

また、Haruは新しいコミュニケーションの手段を可能にします。人の表現を再解釈するHaruの能力によって身体的および感情的テレプレゼンスが共に向上し[4]、無限の想像力を持つHaruと一緒に物語を作る [5] ことで人の独創性が鍛えられ、さらに、やる気満々のHaruとのインタラクティブなゲームを通じて体と心を刺激する喜びに気づくでしょう[6]。そして最後に、Haruは、UNICEFによる子どものための倫理的AI推進の取り組みや、子どもと高齢者のためのデイケア(異世代デイケアパートナーのページへのリンク)をはじめとした、ソーシャルロボティクスおよびその関連課題に取り組むあらゆる研究アプローチを可能にする、エンボディド・コミュニケーションのプラットフォームとしての機能を果たすことができます。実際に、異なる分野の専門家で構成されるソーシャルロボティクスのコンソーシアムでは、Haruを主題として、すでにさまざまなアプローチでソーシャルロボティクス研究が行われています。今後はHaruの多様性を活かして、さらなる応用を図っていきます。

Voice

ゴメス ランディ

HRI-JPには、最先端技術の研究だけでなく、社会実装を見据えた実証実験まで行える環境があります。一般的には、この2つはそれぞれ別の研究者の仕事であることが多いですが、私たちは両方に注力しています。論文を書いて学会で発表するかたわら、具体的なシステムも開発できる。そこに魅力を感じますね。

関連文献

[1] Haru: Hardware Design of an Experimental Tabletop Robot Assistant.
Randy Gomez, Deborah Szapiro, Kerl Galindo, Keisuke Nakamura.
The 13th Annual ACM/IEEE International Conference on Human Robot Interaction.
[2] Designing "Companion Artifacts": The Relational Construction of Culture and Technology in Social Robotics.
Selma Sabanovic.
Robophilosophy 2020: 3-4.
[3] The Companion Species Manifesto: Dogs, People, and Significant Otherness.
Donna Jeanne Haraway.
Vol. 1. Chicago: Prickly Paradigm Press, 2003.
[4] Emoji to Robomoji: Exploring Affective Telepresence Through Haru.
Randy Gomez, Deborah Szapiro, Luis Merino, Heike Brock, Keisuke Nakamura, Selma Sabanovic.
ICSR 2020: 652-663.
[5] Collaborative Storytelling with Social Robots.
Eric Nichols, Leo Gao, Yurii Vasylkiv, Randy Gomez.
The 2021 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS 2021).
Best Entertainment and Amusement Paper Award.
[6] Developing a Lightweight Rock-Paper-Scissors Framework for Human-Robot Collaborative Gaming.
Heike Brock, Javier Ponce Chulani, Luis Merino, Deborah Szapiro, Randy Gomez.
IEEE Access 8: 202958-202968 (2020).